ぐらっじ☆ぱんでみっく

まどマギのネタバレをしたいがために作ったブログ。 恐らくこの後も色々な作品のネタバレのためだけに使い続ける。

※叛逆の物語のネタバレちょっとだけあります
※※シャルロッテのところ書き直しました
※※※エリーのとこ、物語とは関係ありませんが面白いネタがあるし折角なので追記。


今回の映画を観て思ったのが、「えらい物語性を押してくるなぁ」ということで、童話やオペラ、バレエが大好きな自分は大興奮してめっちゃ長い小ネタ集を映画観て速攻で書きました。
でもよく考えると、以前から物語のモチーフはちょくちょく出てきていて、ただそれが視覚的にわかりやすく示されていなかっただけだったんですよね。
小ネタのエントリを結構色々な方に読んでいただけて嬉しかったので、折角なので今まで出てきた魔女達の『物語』に関する蘊蓄と、其れに関するちょっとした考察をまとめてみたいと思います。


********


・薔薇園の魔女/Gertrud(ゲルトルート)
薔薇園の魔女。性質は不信。なによりも薔薇が大事。その力の全ては美しい薔薇のために。結界に迷い込んだ人間の生命力を奪い薔薇に分け与えているが、人間に結界内を踏み荒らされることは大嫌い。(公式より)
ドイツの女性名です。物語、という視点で見ると一番有名なのはヘルマン・ヘッセの『春の嵐』(原題がゲルトルート)ですね。(でも恐らく関係なし)
某パンツじゃないから恥ずかしくないもん!のゲルトルート・バルクホルンさんは「トゥルーデ」って呼ばれてますが、これはゲルトルートという名前の短縮形だからであり、ドイツの作家グリム兄弟が記したグリム童話の中には、『フラウ・トゥルーデ』っていう名前の魔女譚があるんですよ。
それから、ゲルトルートという名前の聖女がいるんですが、なんか病原菌の源になるネズミを追い払ってくれるいい人。しかし、こういう聖人譚は伝達されていくにつれて歪められていくものであって、中には自分の国に進行してきた異教徒の軍勢に立ち向かうため、墓場から名付け親を蘇らせて立ち向かうっていうどう考えても聖女っていうより魔女だろこれってな話が伝わってることもあるそうで。


・お菓子の魔女/charlotte(シャルロッテ)
お菓子の魔女。その性質は「執着」。欲しいものは全部。絶対に諦めない。お菓子を無限に生み出せるが、大好物のチーズだけは自分で作ることができない。チーズさえ持っていれば 簡単に隙をつくことが出来ただろう。(公式より)
公式から正式な読みが発表されている数すくない魔女。シャルロッテはドイツ語の女性名。チャールズのフランス名シャルルの女性系がシャルロットで、そのドイツ系ですね。ちなみにシャルロットは帽子型のお菓子の名前でもありまして、わりと色々レシピがあるようなのですが、私はフランボワーズムースの周りにラングドシャクッキーを付けたタイプのものが一番好きです。
シャルロッテの元ネタと考えられるのはゲーテの小説「若きウェルテルの悩み」のヒロイン・シャルロッテ。物語のストーリー的にはあまり合致しないのですが、シャルロッテの愛称がロッテであり、日本の大手製菓メーカー・ロッテの名前の由来になっているようなので、そこの繋がりだと思われます。
生前の彼女については、初期設定では「病気の母親がいる」となっておりまして、また魔法少女になった理由は「たったひとつのチーズ」のため。チーズは病気によっては食事制限で食べられませんので、そういう繋がりでしょうか。ただ、叛逆の物語でも「私はチーズが食べたかっただけなのです」等々言っていますし、シャルロッテ自体がチーズが好きだという設定になっているので、初期設定から変えられて彼女本人が病気という設定になった可能性が高いと考えられています。


・暗闇の魔女/Suleika(ズライカ)
暗闇の魔女。その性質は妄想。 闇が深ければ深いほどその力は増す。 完全な暗闇の中においてはほぼ無敵だが 灯りの多い現代ではそれほど恐れる魔女ではない。 (公式より)
魔女本体は本編未登場で、使い魔が3話に出てきてますね。ドイツの女性名です。ズライカはイスラム文学で「最も美しく才智あふれる女性」という意味だそうで、英語でいうとソフィアとかそこらへんの名前になるのでしょうか。
この名前に纏わるもっとも有名な物語としては、ドイツの詩人ゲーテが自らの恋人マリアンネをモデルにして、『西東詩集』の中の「ズライカの書」に出していたこと。


・ハコの魔女/H.N.Elly(Kirsten)〈ハンドルネームエリー(キルステン)〉
ハコの魔女。その性質は憧憬。筋金入りのひきこもり魔女。 憧れは全てガラスの中に閉じ込める。 閉じ込められた者はその心までも簡単に見透かされてしまうが 考えるより先に殴れば問題ない。(公式より)
ドイツの女性名。この名前に関しての物語というのは探す限り見つからなかったです。
しかし、彼女のモニタに映し出される言葉に「Ich mag keine Narren.(愚か者は嫌い)」
エリー
というのがありまして、これはゲーテの小説『ファウスト』に登場する悪魔・メフィストフェレスの台詞ですね。そういえばこの台詞、今回悪魔化したほむらがテレビ五話で発した台詞でもあります。悪魔化は後付だと思うので偶然ですが面白い。
この直後にモニタに出てくる言葉がドイツ語の「働きたくないでござる」なのが本当に筋金入りの引きこもりで笑えます。使い魔は見た目では区別がつきませんが、男女のペアになっているので、もしやエリーちゃんの両親なのでは?という説が有力。
なお、まどかが魔女結界に取り込まれる時に謎の声(ガイドブックによると使い魔の声)が聴こえるのですが、それを逆再生したものがこちら

怖い!
公式ガイドブックには「引きこもりの女の子→本当の私はどこへだって行ける。子供の頃みたいに。 外の世界への妬みと憧れ」と書かれた資料が載っているので、彼女自身が昔両親とピクニックとかに行ったときの記憶かもしれませんし、エリーちゃんの能力がその説明文から『心を読む』ことだと思われ、またこの声を担当しているのが鹿目まどかのCVでもある悠木碧なので、まどかの記憶を再生しているのかもしれません。


・銀の魔女/Gisela(ギーゼラ)
銀の魔女。その性質は自由。 高速で移動する結界の中に潜んでいるが 魔女自身は非常に愚鈍。 残念ながら科学的な力は一切使えない。 かつては全身目も眩むほどの銀色であったが、 海岸線の夕日を眺めているうちにずいぶんと錆びてしまった。 (公式より) 
アニメだとめっちゃくちゃ影の薄かった魔女。皆さん…覚えてますか…?
名前じゃドイツの女性名。こちらも名前の由来は不明ですが、同名の女性にギーゼラ・フォン・バイエルンというハンガリーのキリスト教化を推進した人物がおり、見方によっては(キリスト教にとっての)異教徒を弾圧・粛清した悪女だったという説もあるそうで。


・影の魔女/
Elsamaria(エルザマリア)
影の魔女。その性質は独善。全ての生命のために祈り続ける魔女。祈りの姿勢を崩さぬまま、その影の中へとあらゆる命を平等に引きずり込む。この魔女を倒したくば、黒色の苦痛を知らなくてはならない。 (公式より)
この子についてはpixiv辞典にかなり詳しくまとめられていて、自分で書いても殆どコピペみたいな内容にしかなりそうにないので、リンク先を紹介することに留めたいと思います。 pixiv辞典とニコニコ大辞典らへんって結構情報まとまってていいですよね。
http://dic.pixiv.net/a/Elsamaria#h2_4


・人魚の魔女/
Oktavia von Seckendorff(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)
人魚の魔女。その性質は恋慕。 在りし日の感動を夢見ながらコンサートホールごと移動する魔女。 回る運命は思い出だけを乗せてもう未来へは転がらない。 もう何も届かない。 もう何も知ることなどない。 今はただ手下達の演奏を邪魔する存在を許さない。 (公式より)
皆大好きさやかちゃん。もうこれはわかりやすいほどにわかりやすく人魚姫がモチーフです。
オクタヴィアに関してはドイツだけでなくヨーロッパ圏の名前であるようですが、音楽用語であるオクターヴを名前っぽくしたものと見る説が有力ですね。ゼッケンドルフは実在する貴族姓。
意外と(特に男性の方だと)お伽話の詳細を知らないケースがあるので説明すると、人魚姫のストーリーは、「ある日人魚姫は、船上でパーティーをする王子に一目惚れをするが、その船が転覆。彼の命を助けた人魚姫は、彼と結ばれたくて魔女と取引をし、人間になる。しかしその引き換えに声を失ったために王子に自分の思いを告げられず、王子は隣国の姫を自分の命の恩人だと勘違いし、彼女に求婚してしまう。魔女との取引により、王子と結ばれなければ海の泡になって消えてしまう人魚姫に、人魚姫の姉たちはナイフを手渡し、『これで王子の心臓を突き刺せばあなたは死ぬことはない。また海に帰りましょう』と進言。しかし人魚姫は隣国の姫と眠る王子にナイフを突き刺すことは出来ず、自ら海に飛び込み、朝日と共に海の泡になる筈であったが、その心の清らかさによって神に救われ、天に召される」というもの。バージョンによって物語の詳細が異なり、人魚姫が泡となって消えたまま救われないケースや、王子が恋をしたのが隣国の姫ではなく、彼を誘惑するために化けた魔女だというケースもあります(魔女が化けてる方のストーリーは、ディズニー版のリトル・マーメイドに採用されていますね)。
恭介を救う為に魔法少女になり、しかし魔法少女の真実(リビングデッド)を知ってしまったが故に思いを告げられず、仁美に恭介を奪われてしまうさやかにはぴったりのモチーフだと思います。人魚姫の姉たちの進言も、杏子の
「惚れた男をモノにするならもっと冴えた手があるじゃない。せっかく手に入れた魔法でさぁ」 「今すぐ乗り込んでいって、坊やの手も足も二度と使えないぐらいに潰してやりな」 っていう部分が近いでしょうか。
あと、叛逆の方の記事でも書いたように、自分の心臓を剣で突き刺すシーンがありますね。


・芸術家の魔女/
Isabel(イザベル)
芸術家の魔女。その性質は虚栄。自らを選ばれた存在であると疑わぬ魔女。 誰かに自分の作品を見せたくて仕方が無く、人間にも積極的に干渉してくるが、 その結界内はどこかで見たようなものばかり。 この魔女を倒したくば著名な批評家を連れてくればよい。 (公式より)
別名パクラー。彼女の名前はスペイン/ポルトガル語圏の名前なのですが、理由は恐らく生前の彼女がスペインの画家パブロ・ピカソに傾倒していたからでしょう。彼女の魔女結界内の床を見ると、ピカソの代表作ゲルニカの模様になっています。(でもモノクロの絵なのにセピアっぽくなってる)
ゲルニカ
ところでこのゲルニカ、スペイン内戦中ナチス・ドイツにより爆撃された都市・ゲルニカに心を痛めたピカソが描いた傑作で、縦3.5m、横7.8mの大作。現在マドリードのソフィア王妃芸術センターにて展示されており、私は六歳の頃に観に行ったのですが、色がシンプルすぎた為かサイズの割に記憶に残らず、他の作家が描いた(確か)恐竜の絵しか覚えていないという残念な有り様。もう一度ちゃんと観に行きたいです。 


・委員長の魔女/ Patricia(パトリシア)
委員長の魔女。その性質は傍観。 蜘蛛のような糸を吐き結界内の空に自分だけの学園を作って学生達と変わらぬ日常生活を繰り返している。 下校チャイムを鳴らせばこの魔女はどこかの住処へと帰ってゆくだろう。 (公式より)
めがほむの対魔女デビュー戦での相手。まどマギ展でのめがほむ実物大フィギュアはこの戦闘シーンを模したものでしたね。魔女空間のわりに青空で明るい印象があり、叛逆では使い魔がなぎさちゃん助けてたし、個人的にわりと好きな魔女です。美脚だし。
パトリシアはヨーロッパではありふれた名前ですので、元ネタが何かっていうのは明確にはわからないですね。ところで使い魔のMathieu(マテュー)はパトリシアの下半身版みたいな見た目で勿論スカートを履いているんですが、マテューって男性名なんですよね あの…えっと……まあ本人がそれでよければ別に良いと思います!


・鳥かごの魔女/
Roberta(ロベルタ)
鳥かごの魔女。その性質は憤怒。 カゴの中で足を踏み鳴らし叶わぬもの達に憤り続ける。 この魔女はアルコールに目がなく、手下達もまた非常に燃え易い。 (公式より)
足がエロい魔女。あっという間に倒されてしまったのは、彼女が魔法少女としては長生きしたほうで、二十代中盤から三十代まで魔法少女を続けていたために、「少女」でなくなったからだそうです。ということは、メンタルの方でソウルジェムを極力濁らせないようにしていても、フィジカルの方(少女でなくなり力が弱まった為に魔法を連発しないと魔女に勝てない→燃費の低下)でソウルジェムが濁って、遅かれ早かれ魔法少女は絶対に魔女になるってことですね。どうあがいても絶望じゃないか。
名前はやはりヨーロッパ圏ではありふれているので元ネタがあるのかはわかりません。因みに私はBLACK LAGOONの暴力メイドが浮かびました。 
使い魔のGotz(ゴッツ)は屈強な身体を持つ鳥人であり、その説明文が『
鳥かごの魔女の手下。その役割は軽薄無思慮。 群がる鳥は馬鹿な男達。何の役にも立たないくせに彼女の気を引こうと足元へ言い寄ってくる。 魔女にとっては嫌悪する対象でしかない。』となっているため、ロベルタさんはキャバ嬢でゴッツは貢いでる男とかホストっていう説が強いですね。
足
だってロベルタさん足エロいし。


・救済の魔女(絶望の魔女)/Kriemhild Gretchen(クリームヒルト・グレートヒェン)
救済の魔女。その性質は慈悲。 この星の全ての生命を強制的に吸い上げ彼女の作った新しい天国(結界)へと導いていく。 この魔女を倒したくば世界中の不幸を取り除く以外に方法は無い。 もし世界中から悲しみがなくなれば魔女はここが天国であると錯覚するだろう。 (公式より)
呪いを溜め込んだ鹿目まどかが魔女化した姿です。あまりのデカさにまどか山と呼ばれることも。
クリームヒルトもグレートヒェンもどちらもドイツ語の女性名です。さやかのオクタヴィアが姓と名であるのに対し、こちらはどちらも名。
クリームヒルトはドイツの叙事詩ニーベルンゲンの歌』に出てくるキャラクターが元ネタだと思われます。これは、ブルグント王国国王の妹・クリームヒルトが兄嫁である王妃と口論し、うっかり言っちゃいけないこと言っちゃったために夫であるジークフリートが暗殺されたので、再婚相手の力を利用してブルグント王国を滅亡させ、夫の仇を取ろうとするという物語。クリームヒルトは兄までも自らの手で首を撥ね、自身も斬り殺されるという無残な最期を遂げます。前半は慈愛に満ち溢れた人物として描かれるのですが豹変してからが怖すぎる。偶然なのかそこから連想したのかはわかりませんが、クリームヒルトの夫ジークフリートと、白鳥の湖で白鳥・オデットと恋に落ちる王子ジークフリートは名前が同じですね。
グレートヒェンはゲーテの小説『ファウスト』に登場するファウストの恋人である少女・マルガレーテ(通称グレートヒェン)が元ネタだと思われます。彼女も慈愛に満ちた美しい女性なのですが、ファウストと恋に落ちた結果、逢引きの邪魔となる母親を毒殺され、グレートヒェンが男性と通じていることを聞きつけた兄もファウストとの決闘により死ぬという不幸に見舞われます。そしてファウストが魔女の饗宴「ヴァルプルギスの夜」に出掛け不在であったときに、彼と床を共にしたことにより身篭っていた赤子が生まれ、持て余した結果殺してしまい、婚前交渉と嬰児殺しの罪を問われて処刑されてしまうのです。やはり悲劇的な最期を遂げる彼女ですが、悪魔メフィストフェレスとの契約により魂を奪われそうになるファウストを救う役割を担うのが彼女。悪魔(インキュベーター)と契約した魔法少女の魂を救う存在に付けられる名としてはこれ以上ないほどしっくり来ますね。神でなく、魔女となった彼女の役割も、説明を読めば分かる通り(彼女にとっては)救済ですし。
なお、まどかが12話の終盤で自ら弓を放つ魔女は救済の魔女ではなく絶望の魔女だそうですが、その御尊顔がこちら。
絶望の魔女
顔怖っ!
よく見るとこの顔、太陽がモチーフになっているのがわかりますでしょうか。叛逆の物語では月が強調されていましたが、まどかが太陽でほむらが月、ということなのかもしれません。


*おまけ*


・武旦の魔女/Ophelia(オフィーリア)
武旦の魔女。その性質は自棄。霧の中を虚ろな足どりで永遠にさまよい続ける魔女。いつも傍らにいる馬が何だったのか魔女にはもう思い出せない。(魔法少女まどか☆マギカポータブルより)
武旦
アニメ本編未登場魔女。さやかが魔女化し、その魔女をほむらが先回りして倒してしまっていた時に、ソウルジェムが濁っていると佐倉杏子が魔女化する姿がこちらです。 
ドキドキ
あとマミのドキドキティロ・フィナーレにも登場します。かわいい。 
武旦というのは中国の京劇で派手な立ち回りをする女性の役者のことのようですね。魔女本体が着物を着ていますし、使い魔もどこか中国的。あと、そもそも杏子の魔女服って、詰襟っぽいのとノースリーブが合わさって、宣教師の服っていうよりはチャイナドレスっぽく見えますよね。
オフィーリアは ヨーロッパの女性名ですが、元ネタはシェイクスピアの悲劇「ハムレット」に登場するハムレットの恋人・オフィーリアでしょう。彼女はハムレットに父を(誤って)殺され、悲しみのあまり発狂し、彷徨いながら最期には小川で溺死します。ハムレットのほうを知らなくても、ミレーの絵のタイトルとして知っている人も多いのでは。
自らの願いによって父親を一家無理心中へと追いやってしまった杏子に重なる部分もある物語ですね。 


・おめかしの魔女/ 
Candeloro(キャンデロロ)
おめかしの魔女。その性質はご招待。理想を夢見る心優しき魔女。寂しがり屋のこの魔女は結界へ来たお客さまを決して逃がさない。(魔法少女まどか☆マギカポータブルより)
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みんな大好きマミさんの魔女姿。 使い魔はピンク髪ツインテールの弓使い「ももいろさん」と、赤髪ポニーテールの槍使い「あかいろさん」。仁美と恭介を模した使い魔を持つさやかと同じように、まどかと杏子を模した使い魔を持つ魔女です。
名前については、イタリア系の姓です。マミさんは必殺技がイタリア系なのでその流れでイタリアなのかと。公式のイラストに於いてネームタグのようなものがついており、そこに「
Candeloro du Polignac(キャンデロロ・ドゥ・ポリニャック)」と書かれていることから、これがフルネームなのでは?とも言われています。
気になるのが、
Polignacはフランス系の名前。この魔女はフランス系イタリア人なのでしょうか。
更に、duというのはde leの短縮形なのですが、これは男性系であって、女性系はde laの筈なんですよね。
あともう一つ気になるのが、キャンデロロもポリニャックも両方姓なんですよね。エルマザリアやクリームヒルトも2つの名前が一緒になっていますが、これはちゃんと姓と名を繋ぐ接続詞があるし。ちなみに、フランスでは移民等の歴史的背景により通常名前として使われる名前を姓に使っている人もおり、名前が全てファーストネームになっている人もいるんだとか。一部のサイトで「キャンデロロはイタリア系の名前」と書いてあるのも目にしたので、姓でも名でも使える名前なのかもしれないです。ちなみに名前として使う場合、キャンデロロは男性名。duが男性系だし、やはり「男性名+男性系接続詞+姓」という組み合わせなのでしょうか。
ポリニャックという姓で一番有名なのは、ベルサイユのばらでもおなじみのポリニャック伯爵夫人ことヨランド・ド・ポランストン。彼女には人を惹きつける魅力があり、天使のような美貌と美しい声を持つ女性として描かれますが、同時にマリー・アントワネットに取り入り最期には裏切った悪女として取り上げられることが多いです。かなり長くなってしまうので、詳しくは関連書籍やサイトを見ていただければ。
キャンデロロという姓で現在恐らく一番有名だと思われるのが、フィギュアスケート選手のフィリップ・キャンデロロ。 叛逆の物語ではマミさんの変身シーンがフィギュアスケートだったので何か運命感じますね。


**********


今回もながーいエントリになりましたが、現在までの私の魔女に対する考察はこんなかんじです。
まどポの時点で、ホムリリィ気になる!ちゃんと戦いたい!と思っていたので映画に出てきてくれて大満足。
そしてここ書きながらワルプルギスの夜について書き忘れていたことに気付いたのですが、まあファウストネタっていうことはグレートヒェンのとこで書いたし…それ以上考察しようがないし…。
取り敢えず、メルヘンなものが大好きな人間にとってはかなりいいアニメだと思います、まどマギ。映画では更に可愛らしくなってたしね。女性人気が高いのも頷けます。ただシャルロッテのグッズは大分飽和状態なので、他の魔女とか使い魔のグッズもっと出して欲しいですねぇ。
っていうかこうして書いてて思いましたが、ゲーテのネタが多い。
参考までに、使い魔ちゃんまでちゃんと公式の説明文をまとめている動画があるので、ご紹介します。
 
あと、この動画もすっごくまとまってるし、コメントでドイツ語の解説があるので、魔女結界内で出てくる看板とかアンソニーの歌とか分かりやすくなっているし参考になるかと思います。でも出来れば円盤買ってね!BOX出るしね!
 

コメント

 コメント一覧 (13)

    • 1. Dhi
    • 2013年10月29日 20:10
    • こういう魔女元ネタ一斉考察みたいなのを一度読んでみたかった!
      シャルロッテの方がドイツ語であってるはず(……でも使い魔はロシア語っぽいのはなんでだろう)
    • 2. じゅおん
    • 2013年10月29日 20:18
    • >>Dhiさん
      ふおお。Dhiさんからコメント!ありがとうございます!
      不安になったので調べたのですが、シャルロッテの方がドイツ語であってました。お菓子のシャルロットとごっちゃになってました申し訳ない。
      あとシャルロッテのほうで調べてわかったのですが、これの元ネタ多分ゲーテの「若きウェルテルの悩み」ですね。追記しておきます!ご指摘ありがとうございました。
    • 3. じゅおん
    • 2013年10月29日 20:34
    • あと、使い魔のピョートルは確かにロシア系なのですが、これはピョートル・チャイコフスキーの流れじゃないかなーと個人的には思います。
      他にピョートルっていう名前で有名な人物を知らないし、チャイコフスキーの代表作である「くるみ割り人形」にはお菓子の国が出てきたり、ネズミの軍勢が出てきたりするんですよ。しかも、くるみ割り人形の原作に出てくるネズミって、くるみ割り人形を人質に取って、お菓子(チーズじゃなくて、お菓子!)を要求してくるんですよね。結構合致するんじゃないかなと。
    • 4. Dhi
    • 2013年10月29日 20:48
    • ピョートルからそう繋がるとは(皇帝の方ばっかり思い浮かんでた)解説ありがとうございますー
    • 5. 名無しさん
    • 2013年10月30日 17:38
    • 5 とても面白かったです。
      小ネタも考察も全然気づかなかったことがいっぱいで三回目とても楽しく見れました^^

      ただ多分今回シャルオクタ以外の子は使い魔レンタルなので助けたのはパトリシアちゃんではなくマテューだと思います…小さいですし…
    • 6. じゅおん
    • 2013年10月30日 17:43
    • >>名無しさん
      コメありがとうございます!
      あ、小ネタ記事ではちゃんとマテューって書いてるのに、こっちだと誤解を招くような書き方になってましたね。申し訳ないです、修正しておきます~
    • 7. いのうえ
    • 2013年11月01日 19:58
    • 絶望の魔女クリームヒルトは口が月っぽい?
      太陽=まどか、月=ほむらって言うことなら、何か関係あるのかも
      月を喰らう太陽か、もしくは太陽と月が同一であるということか……深読みし過ぎると痛い目見そうですなぁ……
    • 8. じゅおん
    • 2013年11月02日 01:01
    • >>いのうえさん
      コメントありがとうございます!
      確かに口っぽく見えなくもない…?一方で「人間は点が3つあるとなんでも顔に見え云々」とも言うし。
      まどかが太陽でほむらが月、というのは今回の映画に限った話でなく、関係性で言っても正にそうだとは思うのですが、どう考察したものか考えあぐねますね。
    • 9. やすー
    • 2013年11月11日 00:40
    • 最も存在が薄いというか認知されてないのは「オランダの魔女」ですね。

      テレビアニメ版の本編8話でグリーフシードのみが登場した隠れ魔女です。
    • 10. じゅおん
    • 2013年11月11日 01:01
    • >>やすーさん
      あー。カプセルトイのグリーフシードで出てましたね、オランダの魔女。
      使い魔も出てこなくて設定もほぼ上がってないので言及しなくていいかなーと思って省いちゃいました(*‘ω‘ *)
    • 11. Qがタツヤにウェヒヒヒ
    • 2016年10月16日 19:59
    • オランダの魔女ってTDSにも新編にも魔獣編にも出てきてないから本当に謎。アンソロジーコミックにそれっぽいのが出てたという話は聞くけど、二次創作だからあまり参考になんないしな。

      魔女になった原因って興味深い。
      魔法少女になったときの願いを反映してるように見えたり(クリームヒルト)、
      魔女になるときの絶望を反映してるように見えたり(ホムリリィ、ホルガー)、
      その魔法少女の人生を反映してるようにも見える(オクタヴィアの結界)。

      案外、殆どの魔女はその基になった魔法少女の人生を反映しているタイプなのかもしれない。
    • 12. あ
    • 2016年10月16日 20:15
    • ゲルトルート→バラ園で髭親父と仲良くした思い出があった。それ以上はわからん。

      百江なぎさ→元気になりたいという願いで魔法少女に。多分、魔力切れで魔女化。新編で元気にしてることから契約後は病気が治ったと予想。元病人のほむらが再発したり視力が悪化したりしてないことから考えると、病気再発した可能性は低いかと。

      エリー→引きこもりになった思い出。他人の心を読んで人間不信になって引きこもりになったとしか思えないが、真意はいかに。

      ギーゼラ→バイクを運転しまくった思い出があるのか、バイクを運転出来るような願いをして運転できるようになったという思い出なのか。

      エルザ→教会で祈りまくった思い出?影なのは、今はなき教会だからか。

      オクタヴィア→言わずもがな
    • 13. スズカ
    • 2019年03月27日 13:13
    • 関係あるかわからないですけど、オフィーリアの説明に小川で溺死したとありますが、叛逆の物語の杏子のとこで小川のシーンってありませんでしたっけ?確かリンゴが落ちたとかだったはずなので何かの伏線だったのでしょうか?
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